リウマチについて

リウマチ科

関節リウマチや痛風といった関節炎の診断・治療をします。

関節リウマチ

関節リウマチの図

ウイルスやばい菌などから身を守るためこれらが入ってきたときに攻撃するしくみを「免疫反応」といいます。間違って自分の体を攻撃してしまうようになるのがアレルギー(自己免疫異常)です。関節リウマチは、関節の滑膜に対するアレルギーによって全身の関節に炎症を起こす病気です。
炎症によって軟骨や骨が壊されてしだいに関節が変形していく病気です。人口の約1%におこると言われており、複数の関節が腫れたりした場合にはじめに考えられる病気です。


症状

はじめは指や手関節から気が付く事が多く、「朝にこわばる」と表現されます。30分以上「こわばり」が続いた場合は関節炎が起こっている可能性が高いので医療機関を受診してください。しかし中には手指は症状がない関節リウマチの人もいます。
多くは良くなったり、悪くなったりしながら徐々に進行して関節が変形していきます。何も治療をしなかった場合、発症から2年で70~90%の人で骨が壊れてくる(骨びらんが出現する)と言われています。早期は炎症が少ないのできちんと治療をすれば関節の変形をおこさずに済むので、早期発見・治療が大切です。

診断

関節炎の位置・数・血液検査・期間で判断します。関節炎は診察や超音波検査で確認します。進行するとレントゲンで骨が傷んでいくのが見えてきます。血液検査で自己抗体や炎症反応の有無や程度を確認しそれがどの位続いているかを加えて、他にリウマチ以外の病気が無さそうであれば関節リウマチと診断します。

治療

いろいろ新薬が発売されていますが、根本から治す薬はまだ無いようです。痛み止めや炎症を抑える薬も使いますが、自己免疫異常による病気なので免疫を調整したり抑えたりする薬が基本になります。いろいろな薬がありますが、何が効くのかは人それぞれで使ってみて効果を判断するしかありません。治療開始後に状態によって薬を選び、副作用をみながら、効果が悪ければ増やす・追加・変更しながら早期に関節炎を抑えようと治療していきます。薬の使い方や副作用等しっかり理解している医師でないと難しい面があるので「関節リウマチかな?」と思った方は日本リウマチ学会リウマチ専門医を受診しましょう。発症早期にきちんと治療できれば関節が壊れず、痛みもなく健康な人と変わらず生活している人も多くいます。


痛風

痛風の図

細胞の核が代謝されると尿酸になります。尿酸は血液に溶けにくいので血液の尿酸値が高くなると尿酸ナトリウムという結晶となり、体のあちこちに沈着します。関節の中に沈着した尿酸結晶が剥がれ落ちた時、関節の中で化学炎症が発生して関節炎をおこします。血液中の尿酸値が急に上がったり、下がったり変動すると関節炎が起きやすくなると言われています。
メタボリック症候群や内科的合併症を伴いやすく、約90%が男性です。


症状

急激に始まる関節炎で、足の親指のつけ根や足の甲、足関節などに多くおこします。多くは一過性で2週間から3週間以内に自然に治まります。

診断

腫れた関節の水を抜いて尿酸結晶が出ればほぼ決まりですが、だいたい小さい関節なので水がとれないのでパターンで診断しています。

  • 足周辺の24時間以内にピークに達する1か所の関節炎であること。
  • 同じような関節炎を起こしたことがあって、症状の無い時もあること。
  • 尿酸値が高いと言われている。
  • 中年男性、酒を飲む、太っている。

※関節炎をおこしているときの尿酸値は43%正常といわれており、約70%が普段より低くなっているので関節炎の時の尿酸値は参考程度にしかなりません。

治療

関節炎の発作中は対症的治療で、消炎鎮痛剤等を投与します。この時、尿酸を下げる薬をつかうと発作が長引いたり、繰り返すのでふつうは使いません。
関節炎が治ったら尿酸値とほかの病気の有無をチェックします。尿酸値が高い場合はパターンによって治療を始めます。尿酸があがる理由として

  • 食べ過ぎ(飲みすぎ)
  • 体の中で作られすぎ(細胞がたくさん壊れる病気)
  • 尿酸が尿から出ていかない(腎臓の機能が悪い)

が考えられます。
※関節リウマチの人は痛風にはならないと言われています。

その他の関節炎

数か所関節炎があって関節リウマチで無い場合は膠原病である場合があります。皮膚炎や口内炎、目や鼻のトラブルがある場合が多いので日本リウマチ学会リウマチ専門医に判断してもらいましょう。当院の場合、膠原病による関節炎であれば、複数の科に及ぶ病気なので総合病院の膠原病・リウマチ科に紹介させていただいております。

関節炎が一つの場合

  • 変形性関節症による関節炎
  • 痛風以外の結晶性関節炎
  • 化膿性関節炎

を考えます。


変形性関節症による関節炎

加齢性変化に物理的刺激が加わって炎症をおこします。消炎鎮痛剤等使って治療します。

「膝の水を抜くとクセになる?」
関節炎が起きている場合、関節液を注射器で抜くだけでは炎症が治まらないのでまた溜まります。炎症が治まれば腫れは無くなっていきます。しかし、関節炎の関節液には炎症の原因物質が含まれているので関節液を抜くと炎症が軽くなることが考えられます。当院では水が溜まってつらい時や関節内へ注射する場合は水を抜くようにしています。

結晶性関節炎

痛風以外にも結晶が原因の関節炎がいろいろありますが、多いのは「偽痛風」です。
ピロリン酸カルシウム結晶が原因で、高齢者の比較的おおきな関節に起きます。熱も出る場合が多いので意志を伝えられない高齢者の発熱の原因としても頭に入れておくとよいでしょう。副腎皮質ステロイド薬の注射が良く効きます。

化膿性関節炎

細菌感染による関節炎です。数日で関節を破壊し、重度の機能障害を起こし、死亡率は最大15%との報告もある救急疾患です。
低出生体重の赤ちゃん、高齢者、免疫を抑える薬を使っている人 など抵抗力が衰えている人に起こります。関節に注射している人、手術を受けた人、他にばい菌を持っている人(膀胱炎など)も起こる場合があります。化膿性関節炎になったら、抗菌薬投与とともに手術が必要な場合も多くあります。